【BWP独占インタビュー②ブロードウェイで活躍する日本人高橋リーザさん~ブロードウェイまでの道のり~】

ブロードウェイ・ワークス・プロジェクト

「ミュージカルの本場NYと日本の架け橋」となるプロジェクトです!

前回①に引き続き、現在(2019年6月時点)、ミュージカルの本場NY・ブロードウェイの舞台に立つ、唯一の日本人俳優の高橋リーザさんにインタビューをさせていただきました!

①〜私が何故ブロードウェイを目指したか~

リーザさんは現在ブロードウェイミュージカル 【MEAN GIRLS】に出演中!

第2回の今回はミュージカルの本場NYへ拠点を移し、~ブロードウェイの舞台に出演するまで~のお話を伺いました!

最新のブロードウェイ事情や、オーディションの時や日頃大切にしているメンタルのケアとは?

ダンス雑誌の表紙

前回は日本で生まれ育ったリーザさんがなぜブロードウェイの舞台を目指したのかをお伺いいたしましたが、実際NYで生活を始められていかがでしたか?

オーディション漬けです!!笑

有難い事にお仕事いただけたものもありましたが、もちろんスランプもありました。スランプって誰にでもあると思うし、心のケアって凄く大事だと思うんですよね。心が潤っていないと、オーディションもやっぱり全然ダメで結果に出てしまうんです。

オーディションでは自分を強く持って、やっぱり戦わなければならないから、自分本来の輝きが出せるように心が潤っている状態をできるだけ保つようにしています。友達を大事にするとかそういうことってすごく大切で、普段の生活で大事な人達との時間を過ごすとか、好きなコーヒーを飲みにカフェに行くとか、自分の”ラブタンク”が満タンになっている時の方が、オーディションの結果も良かったりしますね!もちろん毎回ではないですけど。笑

NYで俳優として活動するには心のケアは必須ですし、精神的に強くいないと生きていけないです。

実際にオーディションで心がけていることはありますか?

オーディション前の心のケアはもちろんですけど、オーディションを受けるときは自分のやれる事を尽くしたら、あとはオーディションの部屋に全て置いてくる事にしています!その時の感情、空気、オーラ、役、考え方などなど。

もうやったことは戻せないし仮に出来がイマイチだったとしても結果も変わりませんよね。部屋を出たらすぐにオーディションの事を考えるのを辞めて、切り替えるようにしています。

NYは人種のるつぼと言われるほど、様々な人種の方がいますが、日本人として誇りを持っていることや強みは何かあると思われますか?

まず日本人としての誇りは常に持っています。

そして、『みんな違ってみんないいでいい』と思うんですよね。

オーディションに行っても人と比べないという事が大事だと思うし、それぞれ個性も違ければ、肌の色も違うけどそれぞれの良さがあると思います。これはアメリカだから、NYだからとかではなく日本で俳優活動をされている方にも言える事かなと思います。

人とは違った自分の良さ、個性が必ずあってそれをいかに自分で理解した上でパフォーマンスに繋げられるかという事です。だから人と比較する必要もないし、自分のベストを尽くせばいいと思いますね。

人間だからもちろん比べてしまうし、私も毎日できているかと言われればそんなことはないけど、これが一番大事かなと思います。

まぁ言うのは簡単だけど、やるのは大変ですね。笑

日本人の強みというか、私だからこそできるということは絶対にあると思っています。

例にあげると、今私が出演している「ミーンガールズ」もアンサンブルの子達はみんな違うんです!体型も違うし、背が大きい子や小さい子、私のようにアジア人もいるし、人種や個性はバラバラです。

この作品は正に学園ストーリーで高校生たちのお話なので、みんな違うことは普通のことで何の違和感もないと思いますね。私にしかできない役があると思って毎日舞台に立っています。

新しい作品をするのと、昔からの作品をするのではもちろん違いもあると思いますが、今回の私の場合は個性がバラバラな人達を意識して製作チームが選んでくれたということもあり、オーディションに合格できたということもあるかと思います。

最近はアジア人がブロードウェイ、ハリウッドで活躍する場が多く見られるようになってきたなと感じますが、ご自身の体感としてはどのように感じられますか?

すごい変わってきていると思います!

アジア人代表として今ブロードウェイの業界にいるとより肌で感じます。

大学時代やNYに来た当時から比べると、アジア人に対して少しずつだけど陽が当たるようになってきているのかなって。

白人は何人いてもいいのに、アジア人は1人か2人しかいないというのはやっぱりまだ完璧に変わったというわけではないけど、色んな人種が出演しているということが増えてきているというのはいい傾向だなと思います。

LAとシアトルで公演があった作品「ウォーターフォール」

やっぱり「ハミルトン」(※1)から動きが変わり始めているなとは思いますね。

今ブロードウェイの舞台に立っているアジア人はいますが、みんなまだまだ注目されてはいないので、私も含めこれからも色々変わって欲しい、変えたいと思っているし、その度にこの出来事を祝っていきたいと思います!

「オペラ座の怪人」「プロム」「ハミルトン」「ビートルジュース」「ヘイディズタウン」にもアジア人の友人が出演していますが、みんなバックグラウンドは違えど、才能はありますからね!白人や黒人の方には劣らないですよ!

昔のように「ミス・サイゴン」「王様と私」「コーラスライン」などアジア人が出演できる作品はこれだけという時代は確実に変わってきているし、これから色んな作品が生まれると思います。

事務所に関しては入られて活動されていますか?

今は入っていますね、大学時代のパフォーマンスに事務所関係の方がスカウトしにきたりするので、ここでみんな事務所を決める事が多いですね。

私もいくつかお声がけいただいたのですが、ビビッと来なかったのでここではお断りし、別で探しましたが結構シビアなので簡単には入れず、大学卒業してからはフリーで活動し、オープンコールのオーディションに行きまくりましたね。笑

事務所の探し方はそれぞれで、オーディションに行ったり、紹介もあるので一概には言えません。でも自分に合った事務所があれば入るのはいいと思うけど、仕事をくれない事務所や自分に合わない事務所に入るなら、フリーで活動した方がいいと思いますね!

今出演している「ミーンガールズ」のアンサンブルは新人発掘で私も含めオープンコールから合格した人がかなりいるので、チャンスはあると思います!

次回は③~ブロードウェイデビュー~のお話です!

 

※ 1:ハミルトン

2016年トニー賞最優秀ミュージカル受賞作品。その他10部門受賞。アメリカ建国の父と言われるアレキサンダー・ハミルトンの伝記ミュージカル。ブロードウェイの革命児Lin-Manuel Miranda(リン・マニュエル・ミランダ)が脚本、作曲、作詞、主演を務める。 他キャストも有色人種の俳優が数多くキャスティングされ、話題に。 

インタビュー・文:豊城 礼(BWP 主宰)

 

高橋リーザ プロフィール》

兵庫県伊丹市出身。幼少時に母に連れられ、ミュージカルスタジオへ通い始める。中学生まで日本でミュージカルを学び、高校はカナダへ留学し英語を極める、大学からアメリカの大学のミュージカルコースへ進学。卒業後、アメリカ国内の地方公演なども含め多くの作品に出演し、2018年3月「ミーンガールズ」で念願のブロードウェイデビューを果たし、現在出演中。

主な出演作品:「ミス・サイゴン」「コーラスライン」「マンマミーア」「エニシングゴーズ」「ヘアー」「メリーポピンズ」「スパマロット」「モダンミリー」「王様と私」「ハウトゥサクシード」「ウォーターフォール」など。

BWPでは日本で通訳付きで受けられるワークショップの開催、現地NYでのレッスンサポート、Skypeレッスンなどのサポートを行っております。
ブロードウェイについて、NY旅行や留学についてのご相談も無料で行なっておりますので、お気軽にお問い合わせください!

PAGE TOP